どうしたら立って用を足す時に便座を上げてもらえるのか – 外国人観光客向けピクトグラムを考える
ゼミでロゴを作らせていただいた岐阜県高山市のSORA-AMA HOSTELさんから、外国人観光客向けに「立って用を足す時は便座を上げてください」と伝えるピクトグラムの依頼を頂きました。
日本国内では、最近は「和式便器が減って使い方が分からない子供達がいる」とか「洋式便器で流す時は蓋を閉めて流さないと雑菌が飛散する」とか「洋式便器で立って用を足す男性が減っている」などの話題を耳にしますが、所変われば文化も変わる、ということで、どんな図で説明すれば伝わるのかをゼミのみんなで考えました。
トイレや風呂、寝室、食卓など、文化圏によって様々な違いがあります。
【海外旅行初心者必見】行く前に絶対確認!便座がない?!世界のトイレ事情あれこれ | ギャザリー https://t.co/h4BISZONXG
— kuralab.ヴィジュアルデザインゼミ (@kuralab_project) 2016年10月27日
こういう情報を見てみると、温水で洗浄してくれたり、自動で蓋が開いたり閉じたり、ボタンがいっぱいあるトイレは世界では珍しいんですよね。
分かっているつもりのことを伝える難しさ
立って用を足す時は便座を上げる理由は、危険だからとかいうことではなく、汚れた便座に座るのはイヤだということや、掃除をする上できれいに使ってほしいというマナーについての理由なので、色やメッセージも工夫しました。
試作したピクトグラムを便器の蓋の裏に貼ってみて、意味が伝わるかどうか意見交換しているところです。
こうして20回以上修正を繰り返して、ようやくこの図が出来上がりました。
1枚の絵だけでは伝わらないことも…
布団の敷き方の図も制作しました。
この図では、畳んだ状態で置いてある布団をどの順で敷くのかを図に示しています。
和室の場合、押し入れが布団を片付ける場所であることや、布団を自分で敷くことは説明されないと分かりません。
実際に、トランクケースを「床の間」や「押し入れ」に置いてしまうことはよくあるそうです。
そう考えると、布団の敷き方ではなくて、和室全体を理解するようなストーリーのある図解の方が良いのではないかという気がしてきました。
禁煙や立ち入り禁止等のピクトグラムはグローバルに意味が分かりますが、これからはローカルの文化を伝えられるようなピクトグラムが必要になってくるのではないでしょうか。