日本でも1980年代まで広く使われていた謄写版(とうしゃばん)印刷を体験してみました
謄写版とは、1800年代後半に開発された孔版印刷の一種です。
ロウ原紙と呼ばれるロウを塗った紙をヤスリの上に敷き、先の尖った金属でこすることで紙に微細な穴を開ける方法で製版します。基本的に全部手作業です^^;
ヤスリの上においてガリガリ削る音から「ガリ版」とも呼ばれます。
荒いスクリーンの下に版と印刷する用紙を置き、上からローラーでインクを押し当てることで、版の細かい穴からインクがにじみ出て、紙に転写することで印刷されます。
これが謄写版の印刷機です。
新聞や雑誌広告のような大量印刷向けではなく、サイズが小さく、扱いが容易なことから、学校やサークルなどの小規模な団体で利用される印刷機として、日本でも1980年代半ばまで広く使われていました。
手軽に印刷できて、独特の柔らかい風合いがあって今も人気がある印刷方法です。
謄写版専門情報サイト 10-48.net(トーシャ ドット ネット)は、そんな謄写版の魅力をもっと知ってもらうために立ち上がった団体で、ワークショップや講座を開いています。
ガリ版で印刷してみよう
Tシャツ君でおなじみのTAIYO-SEIKIさんから出ている「カンタン謄写版印刷ガリ版キット」を使って、2色印刷をしてみることにしました。
2020年は子年ということで、絵は2020の文字とネズミのシルエットを合成したデザインにしてみました。
1色目の黒で印刷した用紙を台にセットして、これから2色目の赤を印刷するところです。
スクリーンに版がが張り付いていて、ローラーでこすると版にあいた穴からインクがにじみ出てきます。
用紙をセットしたらローラーでこすります。版にうまく穴が開かなかったので苦労しています。
うまく重ねられたかな?もしかすると、レーザー彫刻で製版するとうまくいくかも…
今年のゼミ生からの年賀状として使いました。今年はもっと精度を上げて、綺麗な印刷物を作れるようになりたいです。