レーザー加工機を用いたペーパークラフトの制作
レーザー加工機は、レーザー光線の熱を用いて、紙や木材、アクリル板などの平面の板をカットしたり彫刻したりすることができるマシンです。
2019年度の卒業制作では、ゼミの池田君が1枚の紙だけを使って立体感を表現するペーパークラフト制作に取り組みました。
風景を作る遊び
昔から庭園や盆栽など風景を作る芸術や遊びがあります。現代のジオラマや箱庭もそうですね。
のぞきからくり絵は、絵本のページを立体的に重ねたものをのぞく絵本です。
参考:のぞきからくり絵本 復刻版 ロンドン万国博覧会~1851~ 出版 大日本絵画編集部 2017年
立版古とは
江戸時代に流行した立版古(たてばんこ)は、切り抜いた絵を空間的にならべて、名所や歌舞伎の有名な場面を作ってあそぶ紙のおもちゃです。
立版古とは|(有)イッツアビューティフルデイ
江戸時代に錦絵のなかの「おもちゃ絵」のひとつとして広く楽しまれたもの。「立てる版古(錦絵)」という名の通り、錦絵を切って組立てて楽しむものだが、組み上げた時の想像以上の立体感、パノラマ感の驚き、楽しさはまさに立版古ならでは。
シャドーボックスとは
紙を使ったものにはこの他にシャドーボックスが有名で、これは紙の重なりを利用して、立体的な風景を作る絵画の一種です。
シャドーボックスとは?|Alizon シャドーボックスの教室・展示会・作り方なら
シャドーボックスとは17世紀のヨーロッパで流行したデコパージュの技法の1つで、その後アメリカに伝わり、立体的に発展して出来たハンドクラフトです。デコパージュとはフランス語で、切り抜く、切り裂くなどと言う意味です。
kuralabでは、人の手では切り抜けないような形状を使った表現ができないか色々試すため、大阪市住之江区北加賀屋にあるFablabKitakagayaさんにお邪魔して、レーザーカッターで紙の加工を行いました。
切り抜いた紙を重ねてみた
切り抜いた絵を重ねて後ろから光をあてると影絵のようになりました。期待していたものと違うので、重ねる間隔や光の方向を工夫してみました。
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切り抜いたビルを少し間隔を空けて重ね、下から光を当てみました。
これはこれで面白いと思ったのですが、紙ならではの表現はもっとないのか探してみました。
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紙の特徴を活かす
紙は、折る・曲げる・切るなどの加工がしやすく、またザラザラした紙、つるつるした紙など種類も豊富です。
そこで、先の試作でも利用した光を紙を曲げてうまく当てることで、立体的なグラデーションを作ることができないかと考えました。
うまくいけば、1枚の紙に切り込みを入れるだけで奥行きや重なりを表現できるかもしれません。
1枚の紙で表現してみる
ということで、今度は紙をきり抜かず、切り込みだけを入れて紙を曲げてみることにしました。 下からスリットを通して光を当ててみると、切れ目からぼんやりとはみ出た光が立体的なグラデーションを作ることができました。
1枚の紙だけで、立体的な表現ができそうな感じになってきました!
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今後もう少し研究を続けて、水墨画のような遠近感のある表現にも挑戦してみようと思います。
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