レーザー彫刻・版画
デジタルものづくり

ポリエチレンフォームラバーをレーザー彫刻して版画を制作


ファボラボ北加賀屋さんのレーザー加工機で彫刻したレーザー用ポリエチレンフォームラバーを使って版画を制作しました。

レーザー用ポリエチレンフォームラバーは、大阪府八尾市のスタンプ専門メーカー・タイヨートマーさんが扱っているスタンプ用の素材で、Yahoo!ショッピング楽天ショップなどで購入可能です。

レーザー用ポリエチレンフォームラバーの特徴

レーザー用ゴムシートは加工時に天然ゴムが焼ける匂いや発生したり、べとべとの粉塵が加工機内を汚したりするので、扱いにくい素材でしたが、レーザー用ポリエチレンフォームラバーはゴムに比べてとても扱いやすい素材です。

楽天ショップ・商品紹介ページより転載

  • 印面カス洗浄が非常に簡単ブラシだけでもOK、水洗い10秒でOK。
  • 加工カスが非常に少ないフイルターが長持ちする、加工カス掃除が簡単。
  • 加工臭がありません。(←個人的感想では「少ない」です)
  • ポリエチレン素材なので溶剤系インク等、速乾性インク等、市販品の色々なインクのほとんどに使用できる
  • 表面に微小の穴がありインクを溜めて捺印するので、綺麗に捺印できる、 特にベタ面は綺麗に捺印できる。
  • 非インク吸収面にも滑らずに捺印できる。
  • インク色交換もアルコールで拭けばOK。
  • ゴムラバーに含まれている、硫黄:窒素等が含まれていないので、プラごみとして廃棄可

レーザー用ポリエチレンフォームラバー

出力12Wのレーザー加工機で、パワー95%、スピード15%の設定で加工したので、A4全面を彫刻するのになんと5時間近くかかってしまいました…。
30Wのレーザー加工機なら、この倍の速さで加工可能です。
加工時間の見積もりには注意しましょう…。

竹尾ペーパーを使ってみました

今回使用した用紙は「竹尾 淀屋橋見本帖」で購入しました。
株式会社竹尾は、一般の紙から高級紙、特殊紙などたくさんの紙を扱っている紙の専門商社です。
東京と大阪と福岡に見本帖という紙のショールームを開いていて、個人でも1枚から購入することができます。

竹尾の紙

版画用インクは?

インクは、サクラの版画用油性絵具を使用しました。
のび・ねばり・固さのバランスが良いので、刷りやすいインクだと思います。

レーザー彫刻・版画

紙にインクが良く乗って綺麗に刷ることができました。紙選びはかなり重要なポイントですね。

レーザー彫刻・版画

版画用プレス機で印刷

版画というと、バレンで擦って印刷するイメージですが、kuralab.では版画用プレス機を使って、ローラーで均一に圧をかけて印刷しています。

ところでこの模様は?

この迷路のようなパターンの元は、1982年にアメリカで発売されたホームコンピュータ「コモドール64」で書かれた、「/」か「\」をランダムに表示するのを永久に繰り返す「10 PRINT CHR$(205.5+RND(1)); : GOTO 10」という1行のBASICプログラムで出力されたものです。
今回はこのプログラムをp5.js上で再現して描き、レーザー彫刻してみました。

10 PRINT

10 PRINTについては、フリーランスライター・編集者の柴田克己さんのブログで詳しく紹介されています。