シンプルな仕掛けでわくわく!のぞきからくり絵本て知ってる?
様々な仕掛け絵本の中で、のぞき絵本とよばれるものは、16世紀頃にオランダで制作された「のぞきからくり箱」をもとに考案されたものだそうです。
のぞきからくり箱とは、レンズのついた覗き穴から箱の中をのぞき、中に仕掛けられた名所の風景や絵を、口上に合わせて見る見世物で、江戸時代にオランダから日本にも伝わり、「透視箱」や「眼鏡絵」などと呼ばれる大道芸として人気があったそうです。
ゼミでは色々な「のぞきからくり絵本」の復刻版を手に取って見てもらいました。
どんな仕掛け?
のぞきからくり絵本は、本を開くとジャバラ構造になっていて、少しずつサイズが小さくなっていく絵が奥に続いています。
隙間から入る光で奥行きがさらに強調されて見えて、なんだかワクワクしてしまいます。
中を覗いてみよう
こちらの「ロンドン万国博覧会~1851~ 復刻版」では、1851年に開催された世界最初の万博「ロンドン万国博覧会」の会場となった水晶宮の中の様子が描かれています。
いつもは3DCGなどを見慣れているみんなも、シンプルな仕掛けの面白さに「おお〜」と声が上がっていました。
このような形態のしかけ絵本は、1820年代にイギリスのS&J・フラー社によっていくつもの人気作が刊行されたそうです。
S&J・フラー社の着せ替え絵本
S&J・フラー社による子供向けの着せ替え絵本についての記事には、日本の立版古(たてばんこ)のように紙を切り抜いて着せ替えができる仕掛けが紹介されています。
1814 and 1819 Editions of the Children’s Book: Cinderella or the Little Glass Slipper|Jane Austen’s World(英語)
こちらの「ヴェルサイユの庭園 復刻版」は1830年にフランスの出版社によって刊行されたもの復刻版です。ヴェルサイユ宮殿の広い遊歩道の風景が描かれています。
こちらの「パレ・ロワイヤル 復刻版」も1830年にフランスの出版社によって刊行されたものだそうです。覗き穴が3つあり、それぞれの穴から違う角度で中庭の風景を楽しむことができます。
これらのしかけ絵本の復刻版を出版しているのは「株式会社大日本絵画」という、しかけ絵本、ミリタリー系書籍・雑誌などを主に刊行されている出版社さんです。海外の仕掛け絵本もたくさん扱っています。