「誰かなんとかしてくれないかなあ」を可視化して伝える→食堂の業者さんに私たちが考えた動線プランを見ていただきました
大学の授業「プロジェクト実習」では、身の回りのちょっとしたエラーをデザインの考え方で解決する方法を探しています。
今日はようやく、食堂を運営する業者さんに受講生のみんなで考えた新しい動線プランを見ていただくことができました。
以前はこのように列が蛇行したりぶつかったりしていました。
こちらが新しい動線プランです。
- 列を壁の周囲にめぐらせることで、テラス側の人の流れを確保
- 壁沿いの列に併せて、見本〜券売機〜トレーなどを配置
- セットメニューや丼ものなど種類によって並ぶ列を分離し列を短く
- セルフコーナーに配置してあるグッズの順を使いやすい順に
セルフコーナーでは、列が逆方向に流れて混雑していました。
列が逆走してしまうのはなぜなのか考えてみたところ、冷水、みそ汁、ドレッシングなど使用頻度が高いものと、ソフトクリーム、電子レンジなど使用頻度が低いものが混在していることが分かりました。
最初に冷水を取りにいく利用者が多いのですが、水がある場所は進行方向の最後の位置で、そこからみそ汁やドレッシングに向って、列が逆行してしまうことが多いようです。
そこで、最初に取りにいく利用者が多い冷水やみそ汁をコーナー左側に集めて折り返し位置へ誘導し、使用頻度の低いものは進行方向の最後に集め、使わない人はそのまま列を抜けられるようにしてはどうでしょうか。
あとは、この列の方向や移動先を、床面に床用カラーテープ等で指示できればと考えました。
業者さん側でもプランを考えて来てくださっていました。
動線を考える上で、ただ混雑を緩和するだけでなく、「ものを食べる、ということだけでなく、楽しい食事の体験になっているかどうか」というユーザーの体験(ユーザー・エクスペリエンス)について触れられていました。
デザインで問題を解決するということは、ただサインを見やすくするとか、色を変えることではなく、デザインによってユーザーがより良い体験ができるかどうかということなんですね。
プレゼンのあと、業者さんからは、私たちの提案を元に実際に改善に向けて動きます、と言っていただけました!
今まで「混雑しているなあ、誰かなんとかしてくれないかなあ」と思っていたことを可視化することで問題点を具体的に共有でき、そしてそれを伝えることができて良かったです。
観察してみて、食堂のデッドスペースやゴミ箱の位置など、気になることが出てきました。まずはこれをきっかけに、私たちの提案が食堂でのより良い体験に繋がると良いなと思います。