学食の動線を考える
ゼミの活動

デザインで問題解決ってどういうこと?(2)デザインで学食の混雑を解決できないでしょうか?


大学の「プロジェクト実習」という授業で、お昼休みの学食の混雑を解消できないかという提案が出ました。

こういう問題も、デザインの考え方で解決できないでしょうか?

例えば「分かりにくい」というだけではどのような問題があるかはっきりせず、「分りやすくすればいい」といわれても具体的にどうすれば良いのか分かりません。

「新しい食堂を建てればいい」「人を雇えばいい」「最新の設備を導入すればいい」というのは、経済的実現性技術的実現性が十分に考えられていないアイデアで、それでは提案になっていません。

学生でも実現可能な解決方法はないかと思い、学食の動線を見直すことで混雑を解消できないか考えてみようということになりました。

まずはどこにどんな問題があるのか「可視化」してみようと思い、受講生のみんなと観察しに行ってみました。

どこでどんな問題が起きているのか

列の最後尾から順に見ていきます。

食堂の動線を考える1

券売機の周囲で列が蛇行して、定食の見本が列に遮られて見えなくなっています。

食堂の動線を考える2

違う方向から列に入ってくる人もいて混雑しています。

また、月替わりのメニューのポスターが、食券を買った後に見る位置に貼ってあります。

チケットを渡す位置と料理を受け取る位置が同じなので、そこで列が停滞して、その先は空いています。チケットを渡した後は、この空きスペースに進んで待つという指示が必要かもしれません。

食堂の動線を考える3

料理を受け取ると、後ろのセルフコーナーで水や味噌汁を入れますが、この進行方向の先は食券を買う列にぶつかっています。

食堂の動線を考える4

この列の終わりはさっきの列に遮られているので、全てを入れ終わったらUターンして反対側へ出ます。

食堂の動線を考える5

一連の動きをマップ上にまとめる

各番号のところにエラーが生じています。

学食の動線を考える

図の(1)列が蛇行して食品サンプルと券売機の間を遮っている。

図の(2)チケットを渡す場所と料理を受け取る場所が同じなので、列が停滞している。

図の(3)セルフコーナーの終点が料理を待つ人の列に当たるのでUターンしなくてはいけない。

図の(4)動線が交差している。

さて、この動線をどのようにしたら混雑を解消できるでしょうか。引き続き考えていきたいと思います。