版画制作
ゼミの活動 デジタルものづくり

レーザー彫刻で多色刷りの版画制作にチャレンジ!


メイカーズバザールに出展したレーザー彫刻による版画の試作についての詳細レポートです。版の制作では、レーザー加工機に集塵脱臭機が増設されたことでゴム版の加工を試してみました。

また、刷りでは、以前はバレンで印刷していましたが、今回は版画プレス機を導入しました。これによってバレンで刷るよりは均一な印刷ができるはずです。

今回は、6月の大阪電気通信大学四條畷キャンパスで見ることが出来る「ヤマモモ」をモチーフに、写真からイラストを起して3色の版に分けました。

ヤマモモ

イラストレーターで作成した完成イメージです。どれだけこれに近づけるか…

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ここから1色ずつ白黒で書き出して、版を作ります。

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このデータを元にレーザー彫刻した版がこちらです。

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ゴムを彫刻する際には、レーザーの出力が大きいとゴムが燃えるため注意が必要です。
出力を小さくして、同じ加工を3回繰り返してやっとこの深さに彫刻しました。

レーザー彫刻は時間がかかるのが欠点ですが、メイカーズバザールの会場で来場者や出展者の方々に相談したところ、「必要な部分だけ彫刻してあとはカットしたらどうか」「全面を彫刻する必要はないのではないか」というヒントを頂きました。確かに!

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以前はバレンで印刷していましたが、今回は版画プレス機を導入しました。これによってバレンで刷るよりは均一な印刷ができるはずです。

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ローラーで版画絵の具を版に載せます。

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レーザー彫刻の彫りが浅いので、周囲にも絵の具がついてしまいます。
そのため周囲にマスクを切って重ねています。本当はこういうことはしたくないのですが…今回は仕方なく。

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さらに印刷する際にも別のマスクをして刷ることにしました。

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1色目を印刷しました。紙が湿っているうちに2色目、3色目を印刷します。

用紙は、和紙、画用紙で試しました。湿らせた新聞紙に挟んで3〜4時間ほどおき、インクの親和性を高くしました。

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3色を重ねて完成したのがこちらです。

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周囲に余白がある絵柄は、余分なインクが周囲についてしまうので難しいと分かりました。
そこで、次回は細かい絵柄が均等に彫刻されているような版を作ってみようと思います。