「タラブックスが見た世界」トークセッション

#タラブックス が見た世界 トークセッション@恵文社一乗寺店に行ってきました


タラブックス"The Night Life Of Trees(夜の木)"

もう何年も前のことですが、東京ビッグサイトで開催されたブックフェアで、シルクスクリーンで印刷された"The Night Life Of Trees(夜の木)"というとても美しい絵本に出会いました。

The Night Life Of Trees(夜の木)

印刷は1ページずつすべて手刷り

この本は、南インド・チェンナイにある「Tarabooks (タラブックス)」という出版社から出された本です。
2008年のボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアでの受賞で国際的に注目を集め、以後版を重ね、現在はタムラ堂から日本語版も出版されています。

The Night Life Of Trees(夜の木)

印刷はシルクスクリーン
通常の本は大型のオフセット印刷機械で印刷されていますが、Tarabooksの絵本はシルクスクリーン印刷で刷られています。
紙にはしっかりインクがのっていて、指で触れると凹凸が感じられ、ページをめくるたびにプンとインクの匂いがします。1ページ、1色ずつ、職人が手で刷っているため、一冊の本が出来上がるまでに何十回という刷り作業が必要です。印刷工房で働く職人たちは20人弱。3000部の本をつくるためには3ヶ月の時間がかかります。引用元:タラブックス

2017年12月3日に京都の恵文社一乗寺店で開催された「タラブックスが見た世界」トークセッションで、来日中のタラブックス代表ギータ・ウォルフさん、編集者V・ギータさんのお話を聞くことができました。

少数民族の画家たちとの協働

タラブックスの絵本に描かれている絵は、インド各地の少数民族の画家たちが描いたものです。

インドは人口13億人を超え(世界2位!)、古くから非常に多様な民族が入り混じっています。
そのため多種多様の言語が話され、その数は方言を含めると800以上とも言われています。

カーストとよばれる厳しい身分差別が根強く色濃く残るインドでは、貧富の差が激しく、少数民族の工芸職人の地位は大変低く、工芸品も市場で二束三文の価値しか認められていないそうです。
そして、彼らの生活や仕事の場の多くは路上です。

「タラブックスが見た世界」トークセッション

タラブックス代表のギータ・ウォルフさん

こちらの「Beasts of India(インドのけものたち)」は、タラブックスが最初にインドの少数民族の画家たちと制作した絵本です。

Beasts of India

ページごとに違う民族画家が描いたインドの動物たちが描かれています。

Beasts of India

この本は資金不足のため14年間も絶版になっていたのですが、今回ようやく資金調達をすることができて再版されたそうです。

The Cloth of the Mother Goddess from Tara Books on Vimeo.

タラブックスが制作したこのドキュメンタリーの主人公は、少数民族の染織家の男性です。寺に入ることが許されない身分の女性のために、せめてもの信仰の拠り所にと、女神の物語を描いた布を作っています。

タラブックスはこの図案に描かれた物語を絵本と結びつけ、特別な絵本を作りました。

映像の終わりで「この本が完成したら、女神に感謝のしるしとして501ルピー分のお供え物をしたい。そしてもし儲けが出たらふるさとの村に家を建てたい。そしてこの本が、これを手に取る人たちの小さな寺になってほしい。この本を手に取る人が女神を見るとき、女神もその人を見るのです。」と話す表情がとても印象的でした。

「タラブックスが見た世界」トークセッション

タラブックス編集者のV・ギータさん

トークセッションでは、ただ美しい本を作ることだけでなく、こうした彼らの生活を守ること、教育を受ける機会を作ること、また仕事や工芸品の地位を向上させることなど、出版活動を通してより良い社会を作ろうとする活動が紹介されました。

今まで工芸品を作ることだけをしてきた職人の彼らと一緒に仕事をする上では、著作権について教えることも大事なことだったと話されていました。

そんなタラブックスの本づくりの全容を紹介する展覧会が、現在東京の板橋区立美術館で開催されています。

世界を変える美しい本
インド・タラブックスの挑戦

板橋区立美術館
会 期:2017年11月25日(土)〜2018年1月8日(月・祝)
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休 館 日:月曜日(1月8日は祝日のため開館)、12月29日〜1月3日

トークセッションの終わりに嬉しい情報がありました。

この展覧会が会期終了後にまず名古屋エリアに巡回することが決定しているそうですが、そのあと関西にも来るかも!(現在交渉中!)とのことです!
ぜひお楽しみに!

タラブックスの仕事をもっと深く知りたい人のためにはこちらの本を。
下のツイートは装丁を担当された矢萩多聞氏の投稿です。


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