2023版画
ゼミの活動 デジタルものづくり

なわてんオリジナルの吉祥文様で版画を刷ってみました。


大阪電気通信大学総合情報学部の卒業制作展「なわてん」の今年のテーマは「赤・ハレの色」。
ハレとケとは、民俗学者・柳田國男によって見出された、時間論をともなう日本人の伝統的な世界観のひとつで、ハレは、折り目・節目を指す概念です。

このテーマを具体的に表現するモチーフに吉祥文様を選び、これをp5.jsで描いてみました。

2023p5js

p5.j​​s はクリエイティブコーディングのための JavaScript ライブラリです。専用の環境がなくても、ウェブエディタでプログラミングできます。

2023p5js

無限に連鎖するパターン

吉祥文様とは、途切れることなく無限に繰り返す模様が、繁栄、発展、栄達などを表すおめでたい文様で、古代から世界中に存在します。
まず最初はこんな感じからスタート。1つのユニットはシンプルな線ですが、タイリングするとすべてがつながって不思議な世界が広がります。

sketch_pattern

通常、吉祥文様は一定の柄を繰り返すものですが、今回は、みんなが作った各自の最小パターンを1つの画面内でミックスし、違う模様同士なのに切れ目なく無限に連鎖するパターンを生み出しています。

ゼミではその後、自動生成によるパターンをレーザー彫刻した版で版画を体験しました。
普段デジタルなゼミ生たちは、慣れない油性インクの匂いやローラープレス機に戸惑いつつも、きれいに刷り上がると「おおー」と歓声を上げていました。

4日間乾燥してついに断裁。いい感じに仕上がりました~。

用紙は竹尾ペーパーのファーストヴィンテージ172kgを使いました。インクのノリが良くて最高!
色は写真右からベージュ、リネン、オーク、アッシュ、スカーレットの5色です。