外国人観光客に「温泉の入り方」を伝えるにはどうしたらいいの?その3
こんにちは。4回生の野田です!
外国人観光客に「温泉の入り方」をどう伝えるかという、
私の卒研のお話、第5回目です!
その前に、私たちの卒業制作展「なわてん」開催のお知らせです!
なわてん
2015年度 大阪電気通信大学 総合情報学部 卒業研究展
2016年 2月6日(土)7日(日)
11:00〜17:00
四條畷キャンパス6号館、7号館、10号館、コナミホールほか
デジタル・アート、ゲーム、アニメーションを学んだ学生の
4年間の集大成です!
6日にはホームカミングデー、
7日にはなわてんグランプリ受賞作品発表&授賞式も開催です!
ぜひ観にきてくださいね!
さて、前回の記事では、調べたことを踏まえ、
大学に来ている留学生の方にもお風呂事情を聞きました。
今回は、それを元にサインデザインをどう考えるか、
について書こうと思います。
「禁止」だらけのピクトグラム
一般的な公衆浴場での外国人向けの案内を見ると、
浴槽にタオルを入れない
浴槽の中で石けんで体を洗わない
浴槽に飛び込まない
浴槽に水着や下着を付けたまま入らない
浴室内を走らない
浴室内で写真撮影をしない
掛け湯をせずに浴槽に入らない
洗濯をしない
濡れたまま浴室から出ない、など
基本的に禁止事項ばかりで、
また情報量が多いことが分かります。
これだけの注意事項を
お風呂に入る前に読むというのはあまり考えられません。
「禁止」だらけのピクトグラムを見るのも
なんだか気分のいいものではないですよね。
そのほか、
「水分補給をしてください」
「洗い場は譲り合いましょう」
「シャワーが隣に掛からないように気をつけましょう」
など、最優先事項ではないことが混在していて
短時間で理解できない可能性もあります。
伝えるべき情報の優先順位を整理し、シンプルにする。
案内板に最も多く書かれている以下の項目の
問題の原因は風呂の文化が違うこと。
日本:浴槽と洗い場が「別」
海外:浴槽と洗い場が「同じ」もしくは「浴槽がない」
この違いが、色々なマナーの差を生んでいるのではないかと思います。
この違いから生まれる最も顕著な事柄が、
浴槽の中で体を洗う/洗わない
浴槽に入る前に体を洗う/洗わない
というこの2つですが、
これがマナー問題に混同されてしまっているのではないでしょうか。
(ヨーロッパにも大浴場が古くからありますが、
水着を着て入る事からも、体を洗う風呂ということではなく、
温水プール&スパのような施設だと捉えることにしました)
伝えるべき最優先の情報をこの2つに絞り、
どのように伝えるべきか考える。
禁止ではない伝え方にはどんな方法があるでしょうか。
例えば、最初にこうして、次にこうします、と誘導するとか…
1st「シャワー」「洗う」、2nd「浴槽」「暖まる」…
また、タオルや石けんを浴槽に入れないように伝えるには
どうしたらよいでしょうか。
例えば、タオルを置く場所を指示したり、
タオルを頭や浴槽の縁に置いている絵で示したらどうでしょうか。
ピクトグラムで伝えるためには
さてデザインを考えていくにあたり、
先生からは次のような条件を提示されました。
文章ではなく、ひと目で分かる絵で伝えること。
(ひと目で分かる絵とは、ディテールまで描いたイラストではなく、
伝えるべき情報だけを絵にしたピクトグラムであること。)
全てを一度に書かず、必要な場所に情報を掲示できること。
ガラス面や、濡れる場所に貼っても大丈夫な素材で作れること。
それに伴い、1色で表現できること。
うーーーーん、分かるけど、難しそう。
デザインする全てのピクトグラムについて、
他の公共サインと共通したデザインのルールや方法論を用い、
サインシステムとしてまとめることで、
より伝わりやすいものを目指すという事にも注意しようと思います。