外国人観光客に「温泉の入り方」を伝えるにはどうしたらいいの?その4
こんにちは。4回生の野田です!
私の卒業制作のお話、ようやくピクトグラムの話にたどり着きました\(^o^)/
前回の記事で、
「他の公共サインと共通したデザインのルールや方法論を用い、サインシステムとしてまとめることで、より伝わりやすいものを目指す」と書きました。
そこで、JIS(日本工業標準)規格による案内用図記号(JIS Z8210)とISO(国際標準化機構)規格による案内用図記号(ISO7001)にある浴室とシャワーの表現を比較してみたところ、シャワーの表現が大きく違っていました。
日本人の私が見ると、「え、JISの方が分かりやすい!」と言ってしまいそうですが、これが文化の違いなんですね。
確かに、前回のリサーチでも分かったように、バスタブのない浴室は海外では珍しくなく、世界標準レベルで見れば、ISOのピクトグラムのような、固定式シャワーの方が一般的に認識されている、ということなのでしょう。
うーーーん、でも日本の温泉で使うピクトグラムと考えた場合、JISのピクトグラムの方が良い気がしますが…
どうしよう…
そして先生からは、これも読んでおくように!とドーンとこんな参考図書を渡されました。
『図説 サインとシンボル』
著者:アドリアン・フルティガー、出版:研究社
『記号のデザイン SIGN,ICON and PICTOGRAM』
著者:ライアン・アブドゥラ、ローゲル・ヒュープナー、出版:ビー・エヌ・エヌ新社
サイン(記号)とシンボル(象徴)って普段は混同しているかもですが、神社の鳥居の形のように実際にあるものを使っている場合と、工場や消防署などのように、見ただけでは想像できないものとがあります。
国土地理院 地図記号一覧の地図記号をちょっと見直してみると…
これは分かるんじゃないかと思うけど…
これは、観光ガイドブックに使うのは無理がありそう…
そういうこともあって、外国人観光客向けに、歴史的建造物などのピクトグラムを新しくする動きがありますよね。
こちらは静岡県の観光協会が外国人向けに発信している例です。
分かりやすいかも!
→ Standard Public Information Symbols
『たのしい インフォグラフィック入門』
著者:櫻田 潤、出版:ビー・エヌ・エヌ新社
『インフォグラフィックス 情報をデザインする視点と表現』
著者:木村 博之、出版:誠文堂新光社
『伝わるインフォグラフィックス』
編集:リンクアップ、出版:グラフィック社
今回のピクトグラム制作では、「体を洗ってから浴槽に入る」という順を伝えたいと思っています。
そこで、1つのサインを作るのではなく、物事の前後のつながりを伝える工夫が必要です。
「たのしいインフォグラフィックス入門」からこんなヒントを得ました。
1、シャワー、2、浴槽、と書いたり、また、ひとつのピクトグラムの中に要素を多く書いてしまうよりもこういった方法が有効なような気がしてきました。
この後は、実際に制作に入ります!