イイ感じの写真を撮るテクニック「被写界深度」
デザインTips

イイ感じの写真を撮るテクニック「被写界深度(ひしゃかい・しんど)」って?


デジタル一眼レフで撮ると、なんかイイ感じに撮れますよね。
でもどうしてイイ感じになるんでしょう。

イイ感じにもいろいろあると思うのですが、
そのひとつに「撮りたいものにピントが合っていて、背景がボケている
というのがあると思います。

写真では、このピントが合う範囲の事を
「被写界深度(ひしゃかい・しんど)」といいます。

写真は、レンズから入った光が感光体に当たる事で像になりますが、
どんな時間と早さで光を取り入れるかで、写りが変わってきます。

シャッタースピード」は、
レンズの穴が「開いて閉じる間の時間」です。
例えば早く動いているものを撮る時には、
シャッタースピードが早くないと写真ががブレてしまいますよね?
ブレないようにするだけでなく、光を取り入れる量を調整しています。

写真が明るすぎず暗すぎず、ちょうどいい明るさであることを
適性露出(てきせいろしゅつ)」といいます。

絞り」は、眼の瞳孔の大きさみたいなもので、
明るい時には穴を小さく、暗い時には穴を大きくして
こちらでも光を取り入れる量を調整しています。

例えばコップに水を満タンに入れるとき、
小さな穴からゆっくり入れるか、
大きな穴から素早く入れるか、
結局満タンになるなら結果は同じに思えますよね。

でも、写真では違うことが起きるのです。

もし、持っているカメラに撮影モード切り替えダイヤルがあって、
そこに「」とか「」とか書かれていたら
この被写界深度をコントロールする事が出来ます。

「M」はマニュアルモードで、シャッタースピードと絞りの両方を
自分で調整するモードです。

」は「絞り優先モード」で、自分で絞りを決めると、
その絞り値に合ったシャッタースピードを選んでくれるモード
です。

今回はこの「A絞り優先モード」で
被写界深度をコントロールしてみましょう。

絞り値(F値)を低くする(絞りを開く)ほど、
ピントの合う範囲が狭くなり
ピントを合わせている被写体より手前や奥の風景がボケます
光が沢山入ってくるので、シャッタースピードが早くなります。

イイ感じの写真を撮るテクニック「被写界深度」

この写真では、絞り値(F値)を3.5にした時、
シャッタースピードが1/40(40分の1)に設定されました。

イイ感じの写真を撮るテクニック「被写界深度」

この設定で撮影すると、こんな風にピントがボケます。
ピントが合っている中央以外は、
手前も奥もボケていますね。

逆に、絞り値(F値)を高くする(絞りを閉じる)ほど、
手前から奥までピントが合う範囲が広くなります
光が入ってくる量が少なくなるので、シャッタースピードが遅くなります。

イイ感じの写真を撮るテクニック「被写界深度」

この写真では、絞り値(F値)を11にした時、
シャッタースピードが1/4(4分の1)に設定されました。

イイ感じの写真を撮るテクニック「被写界深度」

さっきと同じ位置から撮影していますが、
手前にも奥にもピントが合ってます。

被写界深度が浅いと、
ピントを合わせたものだけが写真の中に浮かび上がるので
ドラマチックな雰囲気になりますよね。

逆に大勢の人が並ぶ記念写真の場合などでは、
ピントが合う範囲が狭いと、
手前の人だけしかピントが合わないとか困りますよね。

そういう時は、出来るだけ手前にも奥にもピントが合うように
絞り値を上げて、被写界深度を深くします。

全部にピントが合っていることを「パンフォーカス」といいます。

次は「レンズの圧縮効果」について書いてみようと思います。