全国パーキンソン病友の会「SOSカード」のリデザインを提案し、会から感謝状を頂きました
ゼミの活動

全国パーキンソン病友の会「SOSカード」のリデザインを提案し、会から感謝状を頂きました!


2016年度kuralab.ゼミ生の伊藤です。
私が1年間取り組んだ「全国パーキンソン病友の会『SOSカード』のリデザインの提案」について、この度、同会から感謝状を頂き、大石利光学長から表彰していただきました。

全国パーキンソン病友の会「SOSカード」のリデザインを提案し、会から感謝状を頂きました

東京都福祉保健局が都内で統一的に利用できるように制作した「ヘルプマーク」のような緊急カードやマークを普及させる動きが全国で広がっています。
私は、NHK番組「お好みワイド・ひろしま」で、全国パーキンソン病友の会・広島支部が制作した「パーキンソン病SOSカード」の存在を知りました。

パーキンソン病は、脳のドパミン神経細胞が減少することで筋肉の硬直やふるえなどの運動障害が起こる病気で、日本では難病に指定されています。
10万人に100~150人(1000人に1~1.5人)、60歳以上では100人に約1人で発症するとされ、国の難病情報センターの調べでは、患者数は全国で約14万人にのぼるそうです。

もし外出先で発作が起きた場合、携行薬を服用すれば症状は治まりますが、発作が起きてしまうと体が動かず薬を取り出すことができないそうです。
このSOSカードは、その際に、具体的な手助けを必要としていることを周囲に伝えるためのものです。

番組では、患者にカードを普段から身に付けてもらい、外出先等での発作時に、具体的な手助けの必要性を周囲に知らせるのに役立てたいということが紹介されていました。

しかし、このカードを見て、現在のデザインは視認性や可読性が低く、情報を瞬時に読み取りにくいことに気づき、デザイン上の問題を改善することで、意図を伝えやすくできるのではないかと考え、広島支部に対してSOSカードのリデザインの提案をしました。

コントラストと情報の優先順位

情報が読み取りにくい、分かりにくいという時には、大きく2つの原因が考えられます。

(1)文字などの図と、その背景のコントラストが低い。

コントラストと情報の優先順位

コントラストとは、色味や明るさの差のことで、差が大きいほど、背景と図をはっきり見分ける事ができます。

(2)様々な文字サイズ・書体で書かれている。

コントラストと情報の優先順位

書体、文字サイズ、位置を揃えることで、情報のグループを理解しやすくなります。

そこで、コントラストの高い配色を使って、表に「SOS」と大きく示し、その下に「体が動かない時には手を貸してください」と表示しました。

コントラストと情報の優先順位

また、裏面には「薬を飲む手伝いをしてほしい」など、このカードを見て手を貸してくれる人に対する具体的な情報を表示しました。

全国パーキンソン病友の会「SOSカード」のリデザインを提案し、会から感謝状を頂きました

高齢者の患者が多く、発作時には体を動かせないため、ネックストラップが首や腕に巻き付いてしまう可能性があると思い、缶バッジや腕章などのカード以外のツールも提案しました。

全国パーキンソン病友の会「SOSカード」のリデザインを提案し、会から感謝状を頂きました

今後このカードは、パーキンソン病友の会・広島支部から全国での利用に向けて働きかけが始まるそうす。
感謝状には「このカードが全国の患者の心の支えになる」と書かれていて、この提案をして本当に良かったと思いました。
このカードが、多くの患者の方々の手に渡って、少しでも役に立つことを願っています!

リンク→ 全国パーキンソン病友の会・広島県支部HP「SOSカード普及活動状況」

追記:大阪電気通信大学のWebサイトにも掲載していただきました!