ゼミの活動

写真家・三橋直人さんをゼミに迎えて──自然と向き合い、見ることを深める


写真家の三橋直人さんを、ゼミにゲスト講師としてお招きしました。
三橋さんは大阪電気通信大学ゲーム&メディア学科の2019年度卒業生。卒業制作で風景写真に取り組んだのち、広告代理店勤務を経て、上北山村役場の職員として移住し、その後写真家として独立。現在は奈良県上北山村を拠点に活動し、大台ヶ原の自然を捉えた作品を発表しています。
奈良県の観光ポスターや、THE NORTH FACE TREKKINGの西大台PR写真にも作品が使用されており、芸術祭や観光広報といった分野でも活躍の場を広げています。

卒業制作とゾーンシステム

三橋さんは在学時、アメリカの風景写真家アンセル・アダムスの「ゾーンシステム」に強く影響を受け、全国各地を旅しながら風景を撮影。露出と階調を細かく管理し、自然の陰影や空気感を精緻に表現する姿勢は、卒業制作の段階から一貫していました。

卒業制作で取り組んだアンセルアダムスの作品研究の資料も見せていただきました

アンセル・アダムス(Ansel Adams, 1902–1984)は、アメリカの風景写真家・環境保護活動家として知られ、特にヨセミテ国立公園を撮影したモノクロ写真で著名です。繊細な露出と階調の管理による「ゾーンシステム」を提唱し、風景写真の表現と技術に大きな影響を与えました。
三橋さんも「大台ヶ原という国定公園を自分の活動の拠点と決めた」と語り、その姿勢に通じるものを感じさせました。

大台ヶ原の自然を捉えた作品「神の住む山」

見ることに向き合う

ゼミでは、雲海が広がる大台ヶ原や、朝日に染まる山々の作品などが紹介され、それらが偶然ではなく、何度も通い、待ち、撮るというプロセスから生まれたことが語られました。

三橋さんの作品集を見せていただきました
「お金になるかどうかではなく、自分が夢中になれることに全力で取り組む。結果はあとからついてくる」

という言葉には、学生たちも強く励まされたようです。とくに印象的だったのは、

「自分は井の中の蛙かもしれない。でも、井の中の蛙は上しか見ていない。その上に見えるのがアンセル・アダムスの作品や思想なんです」

という言葉。
謙虚でありながら、常に上を目指すその姿勢に、写真表現が「世界を見る行為」であることをあらためて実感させられる時間となりました。

今後の活動にも注目

2025年8月29日(金)~12月7日(日)には、岡山県の温泉地で開催される芸術祭「~温泉にアートがあるということ~ 美作三湯芸術温度」への出展も予定されています。自然と写真、地域文化をつなぐ三橋さんの今後の活動にも注目が集まります。