ゼミの活動

撮ることから“見ること”へ──カメラで学ぶ「表現の違い」体験講習


ゼミの新メンバーを対象にした撮影講習を実施しました。
普段からスマートフォンで撮影することに慣れている世代にとって、写真を撮るという行為自体は珍しいことではありません。けれど、「カメラ」という道具をきちんと扱い、その仕組みを意識することは、実は初めての体験だったようです。

カメラの基本からじっくり

まずは、カメラの正しい持ち方や、レンズフードの取り付け方といった基本的な操作からスタート。使用したのはデジタル一眼レフカメラ。スマホとの違いを体感するには、やはり光学的なしくみがわかりやすいツールです。

ズームレンズを使って、画角の違いや、距離によって変化する被写体の見え方を観察。
「同じ大きさに見えるように撮るには、どう動く?」
「遠くからと近くからで、背景はどう変わる?」
普段は意識していない視点の変化に、次第に興味が湧いてきたようでした。

シャッターと“時間”のデザイン

次は、絞りとシャッタースピードの組み合わせによる表現の違いを実験。

動いている被写体を速いシャッターで止める。逆に、遅いシャッターでブレや軌跡を写す。その違いが目に見えるかたちで確認できたとき、「ただ写す」から「どう写すか」へと意識がシフトしていきます。

手ブレを防ぐ方法として三脚の使い方もレクチャー。シャッタースピードが遅くなる場面で必要になる道具の意味も、実際に触れることで理解が深まります。

見慣れた視点からの脱却

スマホのズーム機能は“拡大する”手段として認識されがちですが、画角や距離、レンズの種類によって写る世界は大きく変わります。
たとえば、マインクラフトなどのゲームで見慣れている超広角の視点にも違和感を抱かない学生が増えている中で、実写のカメラが持つ“見え方の違い”を体験的に学ぶことは、視覚表現を考えるうえで重要な出発点になると感じました。

身近な道具である「カメラ」も、その機能や特性を知ることで、ただの記録装置ではなく「視点を選ぶためのツール」へと変わります。
今回の講習をきっかけに、撮ることを通じて“見ること”の意味を再発見してもらえたらと思います。