「気づかなかったことに気づく」ためのワーク
はじめに
「気づかなかったことに気づく」ためには、どのようにしたらよいのでしょうか?
そもそも、気づいていないことは見えていないですよね。
では「気づく」「考える」「問う」というプロセスを自分自身で体験するための方法を探ってみましょう。
知らなかったものリストを作成しよう
まずは、気づかなかったことに気づくために、日常の中で「知らないもの」をリストアップしてみましょう。
たとえば、今、あなたが「鳥や草木の名前を知らない」と感じることがあったとしても、それが特に気にならない場合、それはまさに「気づきがない状態」かもしれません。
私たちの周りには、名前も役割も意味も知らないものが無数に存在しています。それに気づかずにただ通り過ぎてしまうことが多いのです。今日は、そんな「知らなかったもの」に立ち止まってみてください。それが、あなたと世界を再びつなぐ第一歩になるかもしれません。
ステップ1:見ているのに知らないものを探す
まずはキャンパス内を歩き回り、「名前が言えないもの」や「役割を説明できないもの」をメモしてみましょう。具体的には、以下のような問いを自分に投げかけてみてください。
- この木の名前は?
- この花は何という名前?
- この小さな実は何の実?
- この鳴き声はどの鳥のもの?
- どうしてこの道路の溝のふたはこの形をしているの?
- この電線は何のためにあるの?
- 校舎の壁のこの模様はなぜこの形?
ポイント: 「美しいもの」や「不思議なもの」ではなく、「知らないもの」に意識を向けましょう。また、気になる音や鳴き声もメモしておくと良いでしょう。
ステップ2:知らないものリストを作成する
歩いた後には、メモをマインドマップに整理してみましょう。以下のような項目を使って、自分のリストをまとめます。
見たもの(聞こえたもの・感じたもの) 何がわからなかったか 予想できる意味・役割
ステップ3:リストを共有する
ペアやグループでお互いのリストを共有し、知識のズレや重なりを見つけてみましょう。「自分は知らなかったが相手は知っていた」「逆に、相手も知らなかった」といった発見があるかもしれません。
ポイント: 知っていることと知らないことの世界が人によってどれだけ異なるかを認識しましょう。
ステップ4:問いを立てる
最後に、自分のリストから一つ選び、そのことについて「問い」を立ててみましょう。
例えば:
- どうしてこの木だけ、こんな形になっているんだろう?
- この鳥は普段どこにいて、何を食べているんだろう?
- この構造物は誰が設計したんだろう?
葉っぱが食べられている。どんな虫が食べたんだろう。
ポイント: 「知らなかったこと」を「知る対象」に変えることで、探究の扉が開かれます。
振り返り
「知らない」ということは恥ではありません。「知らなかった」と気づいたとき、新しい世界との接点が生まれます。
- 歩く:
- →無意識に出会うことで、世界との関係をリセットします。
- 書く:
- →不明点を可視化し、「知らない」を肯定します。
- 共有する:
- →他者の視点を知り、自分の知識を相対化します。
- 問いを作る:
- →探究を開始し、気づきを通じて世界への通路を作ります。